スキップしてメイン コンテンツに移動

アメリカ野菜と農薬 2018年【最新版】

アメリカ 野菜 農薬



アメリカ野菜の農薬使用量と残留農薬量はどうなっているのでしょうか?アメリカの農薬使用と聞くと広大な国土に飛行機で農薬散布というイメージがありますよね。

野菜への農薬使用量を見ると世界では1位中国、2位アメリカとなっています。でもこれは単純にどれだけ使ったかの量なので広大な土地の中国やアメリカはどうしても農薬使用量が多くなります。

一方、1ヘクタール辺りの野菜への農薬使用量をみると日本の農薬使用量はアメリカの約7倍となっています。

意外なことにアメリカのほうが日本より農薬の使用量は少ないのです。野菜や果物を大量生産するにはどうしても付き物である農薬とどう向き合っていけばよいのでしょうか。



アメリカ野菜果物残留農薬最悪12種を知っておこう

アメリカ 野菜 農薬


Dirty Dozen(ダーティーダズン)をチェックすべき


アメリカにはEWG(Environmental Working Group)という非営利の環境保護団体があり、毎年Dirty Dozen(ダーティーダズン=残留農薬最悪12種)を発表しています。

私も毎年注目しているのですが、だいたいは常連の野菜果物がリストに挙がっており順位が多少あがったり下がったりするくらいです。

少なくとも常連を記憶しておくと買い物の時などその家庭で目指している健康のあり方やお財布との兼ね合いなどで野菜や果物を選んでいくことができると思います。

今回はアメリカのどの野菜や果物に残留農薬が多いのか、また野菜や果物などについた農薬を落とす方法はあるのかなどをみていきましょう。




アメリカ野菜と農薬の関係といえばまずはコレ!


残留農薬最多12種(2018年版)


Dirty Dozen / ダーティーダズン(農薬汚染最悪12種)

1. いちご

2. ほうれん草

3. ネクタリン

4. りんご

5. ぶどう

6. もも

7. さくらんぼ

8. 梨

9. トマト

10.セロリ

11.じゃがいも

12.スイートベルペパー(ピーマン、パプリカ)

13.ホットペパー(唐辛子)



参考: https://www.ewg.org/foodnews/dirty-dozen.php




アメリカ 野菜 農薬

最悪はあのかわいいいちご


なんと2018年はあの赤くてかわいらしいいちごがワースト1位でした。いちごはごしごしと洗うわけにはいかず、日本より比較的安価に買える果物ではありますが安く買えるからと手にするのではなく積極的にオーガニック(有機栽培)を買い求めたい果物であることがわかります。

人間が甘くておいしいと思うものは虫たちも大好き。特に甘い果物類はどうしても農薬の使用が多くなりがちです。ぶどうは化学者の友人が「ぶどうの農薬は洗っても取れないものを使っている」と言っていたのでそれからはずっと気をつけています。

今年は4位だったりんごですが毎年のように1~5位あたりをふらふらとしています。最近ではりんごは遺伝子組み換えも気になるのでそれはまた今後調べて行きたいと思います。

りんごは皮ごと食べたほうがおいしくて栄養価が高いので皮ごと食べるようにしたい果物です。アメリカではりんごは一年中スーパーで買えますし、気軽な軽食として人気ですがこちらもよく考えて購入したい果物です。

盲点だったのは11位のじゃがいもです。気分や値段でオーガニック(有機栽培)のものを使っていたくらいでそんなに残留農薬は気にしていませんでした。じゃがいもは家庭での常備野菜なのでこちらも考えて選びたいですね。


アメリカの環境保護団体EWG(Environmental Working Group)は残留農薬が少ない15種も発表していますのでそちらも見てみましょう。





アメリカ野菜と農薬といえばこれもチェックしたい!


残留農薬最少15種(2018年版)




アメリカ 野菜 農薬


Clean Fifteen / クリーンフィフティーン

1. アボカド

2. スウィートコーン

3. パイナップル

4. キャベツ

5. 玉ねぎ

6. スウィートピー

7. パパイヤ

8. アスパラガス

9. マンゴー

10.なす

11.ハニーデュー(中が薄緑~薄オレンジ色のメロン)

12.キウイ

13.キャンタロープ(中が明るいオレンジ色のメロン)

14.カリフラワー

15.ブロッコリー


参考: https://www.ewg.org/foodnews/clean-fifteen.php



ピカピカして怪しいアボカドが意外にも心配少ない

 



クリーン15(汚染の少ない15種)は意外な結果だったかもしれません。というのもクリーン15の方は農薬で汚染されていそうなイメージの野菜や果物が思ったほど汚染されていないからです。

1位のアボカドはピカピカして虫食いもない完璧な見た目の皮からは残留農薬が少ないというイメージがわきづらいですよね。マンゴーやメロン類も甘い果物の割には残留農薬が少ないんですね。

でもメロン類は外側をよく洗うようにしてください。残留農薬は少ないかもしれませんがメロンについているバクテリアで健康を崩す人が毎年のようにいます。

パイナップルやキャベツも畑で農薬を撒いているイメージがあるのですがクリーン15のトップに入っています。そうは言っても農薬使用0というわけではないので洗ったり外葉を取ったりしてから使うことは今後も大事なステップとなるでしょう。

日本ではブロッコリーへの農薬の使用はよく聞いたのですが、アメリカではクリーン15に入っています。クリーン15全体にいえることですが、残留農薬が比較的少ないといわれるだけで残留していないわけではありません

しっかりと洗ったりオーガニック(有機栽培)のものを食べることなども視野に入れていくのも大事だと思います。





野菜果物はとにかく水で洗う!


残留農薬取り除き方のコツ5つ+30秒ルール




アメリカ 野菜 農薬

 

農薬にはいくつもの種類があります。粉で散布するものからスプレーで散布するもの、水溶性から油溶性など色々あります。

農薬は野菜や果物の中に入ってしまっている分もあるので完全に取り除くことは困難ですが、残留農薬量を減らすことはできます

体に取り入れるものですからなるべく少なくしたいですね。以下の5つのコツと30秒ルールを覚えておきましょう。




農薬除去レベル1.流水に30秒さらす



アメリカ 野菜 農薬


皮の薄いいちごなどはこの方法で洗うことができます。まずボウルにいちごや葉野菜などを入れたら水を流しっぱなしにして30秒間入れ違う水の勢いで洗います。

水をためたボウルの中で洗うのではないので注意してください。流れ出た農薬が再付着するのを防ぐために30秒間流水がポイントです。




農薬除去レベル2.流水で30秒こすり洗い



アメリカ 野菜 農薬


手でもよいですが、綺麗なスポンジやブラシ(たわし)などで30秒間水を出しっぱなしにしながら洗います。

こすることで
農薬が野菜や果物からはがれやすくなります。特に凹凸(おうとつ)のある野菜はへこんでいるところに泥や農薬が溜まりやすいので重点的に洗います。

自然派食器洗い洗剤をほんの一滴ほど使ってもよいですが、その場合は使用した洗剤もよく落とすように気をつけましょう。

食器洗い洗剤を使って洗うとりんごなどについている食品ワックスがよく落ちます。




農薬除去レベル3.塩水・酢水・重曹水につけてから流水で洗う


アメリカ 野菜 農薬


塩水
:ボウルいっぱいの水に塩小さじ1、2杯くらいがよいでしょう。栄養までもが溶け出してしまわないよう30秒から1分ほど漬けます。

酢水:酢と水1対1の割合が野菜や果物の残留農薬がよく落ちるといわれています。野菜や果物からの水分やアクが出るときに農薬も一緒に溶け出すことが期待されます。こちらもつけるのは30秒から1分、その後流水で洗います。

重曹水:ボウルいっぱいの水に大さじ1杯程度を入れて30秒から1分放置します。それから流水で洗います。弱アルカリ性の重曹水は塩水や酢水より更なる残留農薬減量が期待されると言われますが、残留農薬がどれくらい出たかという実験結果は特に出ていないようです。




農薬除去レベル4.外葉を取る、皮をむく



アメリカ 野菜 農薬


葉野菜は内側からどんどん成長し、外葉になるにつれ古いものになります。当然外葉が一番長く農薬にさらされるわけですから外葉を取るだけでかなりの残留農薬減量ができます。

また野菜や果物の収穫後のポストハーベスト(収穫後)農薬は皮をむいて取り除いてしまうことでほぼなくなります。

バナナなどがその代表ですが農地の深刻な土壌汚染ももう何年も前から問題になっています。

現地の農家さんや近隣の家が汚染されないようにと考えると私はバナナはなるべくオーガニック(有機栽培)を選んでいます。

値段も普通のバナナとほとんど変わらないので単に募金というか応援のような意味でオーバニック(有機栽培)ものを選んでいます。

これについて、あなたはどう考えますか?




農薬除去レベル5.下ゆで・ゆでこぼしをする



アメリカ 野菜 農薬

 

 

調理前の下ゆでやゆでこぼしをすると水で洗う以上に残留農薬が落とせるでしょう。また野菜を小さく切って断面を多くすると内面の残留農薬も水に溶け出すことが期待できます。

ただ残留農薬だけでなくその野菜の栄養も一緒に出てしまいがちなので下ゆでやゆでこぼしはその野菜に合った時間にし、必要以上にゆですぎないようにしましょう。


「下ゆで」と「ゆでこぼし」の意味の違い

*下ゆで=あくを抜いたり柔らかくしたりする目的で煮る事。ほうれん草など。

*ゆでこぼし=茹でてからそのお湯を捨てること。じゃがいもなど。





おわりに



アメリカの野菜果物の農薬についてみてきました。残留農薬の落とし方も参考になったでしょうか。

やはり流水で洗うということが一番簡単で効果的な方法のようです。

今では他にも野菜果物洗剤やホタテの殻を使った洗浄剤などがあるようです。少しでも農薬を落としたいという人はそういったものを使ってみても良いかもしれません。

余裕がある人は家庭菜園やベランダ菜園を始めれば確実に自分で農薬使用のコントロールができますよね。



関連記事
「アメリカ野菜の番号の意味は?シールにまつわる裏話」
「野菜のぬるぬる食べられる?食べられない?」
「アメリカ|野菜洗うでしょ!?洗わなくて良い野菜もあるの?」
「アメリカ野菜はまずい?なぜ?理由4つ!」
「アメリカバーベキュー肉と野菜の扱われ事情」


あなたのアメリカ野菜生活が充実しますように♡♡♡


コメント

このブログの人気の投稿

アメリカじゃがいも|種類ありすぎ!使い方は?【保存版】

アメリカのじゃがいもは種類がたくさんあって使い方がわからずにいませんか? また、どのじゃがいもがどんな料理に合うのか悩みますよね。 日本の2大じゃがいもである、 ● 男爵(だんしゃく)・・・ほくほくして煮崩れし易い ●メークイン・・・しっとりして煮崩れしにくい と覚えましたがアメリカのじゃがいもはどうなのでしょうか。煮崩れしにくいじゃがいもはどれ?逆に、煮崩れしやすいじゃがいもは? 今回は私の在米生活で学んできたアメリカのじゃがいもの種類とそれぞれの使い方をご紹介します。 1.アメリカで一番出回っているじゃがいも ラセットポテト / russet potato ●別名その1:baking potato(ベーキングポテト)=焼き料理に向いているため    ●別名その2:Idaho(R) potato(アイダホポテト)=同じラセットポテトでもアイダホ州で収穫されたものだけが「アイダホポテト」と呼ばれる権限があります。 *(R)は登録商標です。 ●向いている料理法:オーブン・グリルで焼く、油で揚げる ●特徴:価格が安い、ほくほくしている(粉ふきいも、コロッケ向き)煮崩れしやすい アメリカのじゃがいもの中で一番安価で一番出回っているじゃがいもです。 だいたい大きさがそろっていることが多いので使いやすいのですが、煮物や汁物に使ってしまうと溶けてしまうほど煮崩れしやすいので注意してください。 私は味噌汁に入れてよく溶かしてしまっています・・・。 食感はほくほく系で日本の男爵 なんですけれどね。 ラセットポテトはオーブンやグリルで焼いたり油で揚げたりする調理法が賢明です。 また、レストランなどで皮付きのフライドポテト(フレンチフライ)が出る場合はこのラセットポテトを使っています。 2.アメリカのじゃがいも万能選手 イエローポテト / yellow potato ●別名1:Yukon Gold (ユーコンゴールド) ●別名2:All-purpose (オールパーパス / 多目的)potato ●向いている調理法:ほぼ全て ●特徴:若干しなびやすい アメリカで 煮物やカレー を作りたかったらこのイエローポテトを使いましょう。じゃがいも自体はしっかりしてい

野菜のぬるぬる|食べられる?食べられない?

野菜って触った時にぬるぬるしているものがありますよね。食べられるのか食べられないのか知らないと判断に困ります。色々な意味で野菜のぬるぬるは野菜からのサインとも言えます。 なぜ野菜がぬるぬるするのかその意味の違いや、食べられるのか食べられないのか判断基準などをご紹介します。 野菜のぬるぬる【食べられない】 冷蔵庫と冷暗所の野菜のぬるぬる 触ると凹んだり、悪臭が漂うのは腐っている証拠! 野菜の全体、または一部がぬるぬるしている場合は 軽く触って みましょう。手にぬるぬるがつくかもしれないと心配であればビニール袋越しでも良いです。 ハリがある野菜のトマトやキュウリ、にんじんやじゃがいもなどが凹む上に 白や茶色でぬるぬるしている場合 は腐っていることが考えられます。 同時に 悪臭 がすることもあります。 冷蔵庫に入れていた野菜ではビニール袋に入れておいたため野菜自体が呼吸したり(野菜は収穫後も呼吸しています)出し入れしたときの温度変化で結露が起きたりした際の水分がビニール袋内に閉じ込められてしまい野菜をいためる原因になったと思われます。 もちろんビニール袋に入っていない野菜でも、知らず知らずのうちに重いものにつぶされていたり冷蔵庫に入れる前から痛みがあった場合などは 思ったよりも早く腐ってしまうことも あります。 購入してからの日にちだけで「まだ新鮮なはず」と過信しないようにしましょう。 〈根菜類を長期保存するコツ〉 ●じゃがいもや玉ねぎなどの根菜類は基本的に冷暗所に保存。 *冷暗所=日光が当たらず、比較的低い温度に保てる場所。シンク下など。 ●ビニール袋に入って売られていた場合は出す。 ●紙袋や布の袋またはバスケットなど 空気が常に入れ替われる状態 のものに入れ替える。 *この状態で保存すると 野菜が呼吸できる ので断然長持ちします。 野菜のぬるぬる【食べられる】 葉野菜の根元のぬるぬる 緑の部分も元気なら健康なしるし 白菜やほうれん草、アメリカの一般的なスーパーでは見かけませんが小松菜などの葉野菜は 根元がぬるぬるしている ことがあります。 水にぬらすとそのぬるぬるしている感じが増すので洗っているうちに気になる人も

トマト赤くならない冬の対処法と青トマトの活用レシピ3選

トマトは冬になるとなかなか赤くなりませんよね。気温が下がると家庭菜園のトマトは青い実がただ単に 何日もぶら下がっているだけ 。 そこから先、熟す様子もありません。そのうちに霜が降りると青いまま凍ってしまい、暖かい日が来ると解凍されてぐちゃぐちゃ。 そんな、トマトが赤くならない冬にどうしたらトマトを赤くできるかご紹介します。最悪どうしてもトマトが赤くならない場合の簡単レシピも3つつけました。是非最後までご覧ください。 トマト赤くならない冬 実を取って放置   キッチンカウンターの上などで様子見 トマトは花が咲いて実がなり、赤なるまでに 累計で800℃~1200℃の温度が必要 なんだそうです。 もちろん、 累計(少しずつの合計数) でなければならないので、トマトをガラスが溶けるような高温にさらしたからと言って一気に熟すわけではありません。 累計温度が積み重なるので毎日暑い夏はトマトが赤く熟すまで時間がかからないわけですね。逆に冷夏だと日照時間が少ないうえに累計温度も上がっていきません。 それで 冬はなかなか赤くならない わけです。 外では暖かい日が少なくなるだけでなく、トマト自体が凍結の可能性も。 それなので、気温が下がってきて「もうこれ以上青いトマトを取っておいても凍ってしまうだけだ」と判断した日に青いトマトは 全部取って しまいましょう。 私は一度家庭菜園のトマトの木にトマトをならせたまま凍らせてしまいました。 暖かくなった日に解凍されたらぐちゃぐちゃになった上、一日放っておいたら変なにおいもして食べられる状態ではなくなってしまいました。 カウンター上で追熟が進む そんなわけで、秋も終わる頃に「まだ自然に放っておけば赤くなるかも」と望みを込めたトマトも寒い日がここそこに出てきたら 取ってしまうのが一番 です。 なぜなら今度は凍結の恐れが出てくるから。凍結してしまえば家庭菜園のトマトは全部ダメになってしまいます。 ここで一か八か青いトマトを全部取って、 今シーズンは終了 ということにします。 私の今シーズン最後に収穫した青い7個のミニトマト。腐るわけでもなくすぐに追熟するわけでもなく、ただただ2ヶ月青いままカウンターに鎮座していました。 するとあ